産後の体の変化と骨盤の歪みについて:当院の施術方針

「産後は骨盤が歪む」とよく言われますが、これは妊娠中に分泌されるホルモンの影響で、骨盤周辺の靭帯や筋肉が緩むために起こります。そのため、骨盤ベルトで締めたり、筋力トレーニングをしたりして、骨盤の不安定さや腰の痛みを改善しようとするのは自然なことです。しかし、外からの力でただ締め付けたり、一般的な腹筋や背筋運動をするだけでは、症状の改善が難しいことも少なくありません。

そこで、当院では産後の骨盤の悩みにどのようにアプローチするのか、その考え方をご説明いたします。

① 骨盤の安定性を高めるために
産後に関わらず、人間の関節はしっかりと体重(荷重)を受けることで安定します。つまり、不安定な状態というのは、関節がその荷重を受け止めきれていない状態を指します。骨盤は、左右一対の寛骨と、中央にある仙骨という骨が組み合わさって土台を形成しています。この左右の寛骨は、前後や内外といった様々な方向に歪む可能性があり、さらに仙骨も同様に左右や前後に歪みます。当院では、これらの骨の歪みを丁寧に調整することで、骨盤が本来の安定性を取り戻し、しっかりと荷重を受けられる状態を目指します。

② 低下した筋力を効果的に回復させるために
妊娠中はお腹が大きくなるにつれて姿勢が変化するため、それに伴い筋力も低下しやすくなります。特に、骨盤を正しい位置に保持するために重要な腹筋の低下が多く見受けられます。この時、一般的な腹筋運動を行うだけでは、なかなか効果的に腹筋を鍛えることができません。当院では、骨盤を正しい位置に安定させるために本当に必要な腹筋を、そのトレーニング方法まで丁寧に指導し、効率よく鍛えることで症状の改善をサポートいたします。

③ 骨盤以外の周辺の歪みにも着目して
骨盤が歪むと、それに隣接する腰や股関節をはじめとして、全身の様々な部位に影響が及びます。瞬間的な外力による怪我とは異なり、時間をかけて徐々に歪んだ場合、その歪みは一箇所にとどまらず、様々な部位へと波及していくことが考えられます。そのため、再発を防ぐためにも、骨盤だけでなく、その周辺に生じた歪みもしっかりと取り除くことが重要です。

上記が、当院における産後治療の基本的な考え方です。日頃の施術を通して、産後のお悩みを抱える方が多くいらっしゃることを実感しています。もし、産後の体の不調でお困りの方がいらっしゃいましたら、早期の治療をおすすめいたします。

コメント


認証コード3947

コメントは管理者の承認後に表示されます。